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第58話 マグザ到着・・・依頼達成?

Penulis: 黒蓬
last update Terakhir Diperbarui: 2025-04-18 06:00:12

ハクシンと別れた後は特に何事もなくマグザまで来ることができた。

マグザは周囲を山に囲まれた窪地に作られた都市だ。

とある魔導士が隕石を落とした跡地に都市を作ったなんて逸話もあるらしい。

魔法学園は名前の由来だけあって大きく街の入り口からも見ることができた。

さらに学園の中には街の外からでも見える高さの塔が立っていた。

街に入るとまずはカサネさんの希望で冒険者ギルドに向かった。

冒険者ギルドに入り、カサネさんは素材を売却するためにカウンターへ向かった。

俺は待つだけというのもなんだったので、何となく依頼掲示板を見に行くことにした。そこには様々な依頼が張ってあった。街中の下水道掃除や荷物運び、近辺のモンスター退治や素材採取など色々だ。

と、そこで俺は一枚の依頼に気づいた。

「ハーピィ討伐依頼。貴重品の回収必須?」

なんだかすごく思い当たる節がある依頼だ。というか間違いない気がする。

「何だ兄ちゃん、まさかその依頼を受けるつもりか?止めときな、その依頼は俺達がこれから向かうつもりなんだ。早い者勝ちだから今から受けても無駄になるぜ?」

「え~と、いや、既に終わってるんです。この依頼」

そう言って、俺はメギエスタから受け取った懐中時計を取り出した。

「な、何だと?・・・確かにその懐中時計、依頼内容の品と同じじゃねぇか。何だよ、先越されたのは俺達の方ってことかよ」

その男たちはがっくりと肩を落として、依頼掲示板の方へ戻っていった。どうやら別の依頼を探すことにしたらしい。なんだか悪いことをしたな。

でも、あの様子からまだ他に向かった人は居ないらしい。誰かがハーピィ討伐に向かう前で良かった。

「カサネさん、ついでにこの依頼の報告も頼んだ」

俺は受付に向かい、依頼用紙と懐中時計をカサネさんに渡した。

「え?ハーピィ討伐依頼?・・・なるほど、そういうことですか。分かりました。」

理解してくれたらしい。カサネさんは合わせて手続きを済ませてくれた。

「それにしても、あのハーピィたちの討伐依頼が出ていたとは。ハーピ

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    聞いたことのある声に振り向くとそこに居たのはやはり、以前世話になったミルドさんとエリネアさんの二人だった。「ミルドさん、エリネアさん、お久しぶりです。俺達は魔導都市がどんなところか興味があって観光に来た感じです。あ、この人は俺の旅の仲間です」 「カサネです。よろしくお願いします」 「俺はミルドだ、よろしく。アキツグさんとは以前ある人の護衛中に一緒になってしばらく同行していたんだ」 「エリネアです。よろしくお願いします」二人は何かの荷物を抱えていた。届け物の途中とかなのだろうか?「にしても観光か、それは良いタイミングで来たな。明日は魔法学園の学園祭だからな。楽しんでいくと良い」 「そうみたいですね。知らずに来たのでびっくりしました。ただ、そのせいで宿屋が全部埋まってしまっていて。どうしようかと思っていたところなんです」 「あぁ、、それはそうだろうな。・・・良かったらうちに来るか?部屋なら余っているが」 「えっ?良いんですか!?」降って湧いた幸運に驚き聞き返す。「あぁ、知らない仲でもないしな。両親も一緒に住んでいるが、二人ともおおらかな性格だから、俺の友人なら気にしないだろう。アンタらが良ければだが」 「俺は良いと思うんだけど、カサネさんはどう思う?」 「皆さんが良ければ、ぜひお願いしたいです」 「そうか。ならちょうど戻るところだし、一緒に来るか?」 「あ、ちょっと待ってください。あともう一人、この子、ロシェッテも一緒で構わないでしょうか?」俺の言葉に、ロシェが姿隠を解いた。周囲に居た人達が軽く驚いた声を出して通り過ぎていく。二人も突然姿を見せたロシェに驚いたようだ。「ハイドキャットか。初めて見たな。アキツグさんの従魔なのか?」 「はい。ギルドで登録はしています。大人しい子なので迷惑を掛けることはないはずです」 「なるほどな。うちの両親は猫好きだし、たぶん大丈夫だと思うぞ」 「良かった」 「あ、あの・・・この子、撫でても大丈夫ですか?」何だかエリネアさんが期待に満ちた目で聞いてきた。初めて見る表情だ。

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    ハクシンと別れた後は特に何事もなくマグザまで来ることができた。 マグザは周囲を山に囲まれた窪地に作られた都市だ。 とある魔導士が隕石を落とした跡地に都市を作ったなんて逸話もあるらしい。 魔法学園は名前の由来だけあって大きく街の入り口からも見ることができた。 さらに学園の中には街の外からでも見える高さの塔が立っていた。街に入るとまずはカサネさんの希望で冒険者ギルドに向かった。 冒険者ギルドに入り、カサネさんは素材を売却するためにカウンターへ向かった。 俺は待つだけというのもなんだったので、何となく依頼掲示板を見に行くことにした。そこには様々な依頼が張ってあった。街中の下水道掃除や荷物運び、近辺のモンスター退治や素材採取など色々だ。 と、そこで俺は一枚の依頼に気づいた。「ハーピィ討伐依頼。貴重品の回収必須?」なんだかすごく思い当たる節がある依頼だ。というか間違いない気がする。「何だ兄ちゃん、まさかその依頼を受けるつもりか?止めときな、その依頼は俺達がこれから向かうつもりなんだ。早い者勝ちだから今から受けても無駄になるぜ?」 「え~と、いや、既に終わってるんです。この依頼」そう言って、俺はメギエスタから受け取った懐中時計を取り出した。「な、何だと?・・・確かにその懐中時計、依頼内容の品と同じじゃねぇか。何だよ、先越されたのは俺達の方ってことかよ」その男たちはがっくりと肩を落として、依頼掲示板の方へ戻っていった。どうやら別の依頼を探すことにしたらしい。なんだか悪いことをしたな。 でも、あの様子からまだ他に向かった人は居ないらしい。誰かがハーピィ討伐に向かう前で良かった。「カサネさん、ついでにこの依頼の報告も頼んだ」俺は受付に向かい、依頼用紙と懐中時計をカサネさんに渡した。「え?ハーピィ討伐依頼?・・・なるほど、そういうことですか。分かりました。」理解してくれたらしい。カサネさんは合わせて手続きを済ませてくれた。「それにしても、あのハーピィたちの討伐依頼が出ていたとは。ハーピ

  • 人生の続きは異世界で~交換スキルの代償は金銭NG!?~   第57話 謎の人物とスキルブック

    「いや~助かった。ありがとうな。俺はハクシンってんだ」 「はぁ。俺はアキツグです」 「カサネといいます。よろしくお願いします」ロシェッテに気配も感じさせず突然現れた男は空腹で倒れていたらしい。手軽に食べられるものをとりあえず渡すと、美味しそうにバクバクと食べながらそう言った。「いや~それにしてもハーピィ相手に会話ができるなんてアンタすげえな」 「えっ!?・・・あ、いや、その撃ち落としたと思ったハーピィが生きてて可哀想になってしまったから、話し合って助けていただけですよ?」思わぬ発言に驚いてしまったが、咄嗟に言い訳する。 確かにハクシンが出てきた茂みは近かったが話声を聞けるほどではなかったと思う。スキルのことは話せないし、ここは何とか誤魔化したかった。「いやいや、俺は耳だけは良い方なんでな。ばっちり聞こえてたぜ。まぁ、安心しなって。アンタは恩人だからな。誰にも言ったりはしねぇよ」だめだったらしい。彼の言葉は嘘を言っているような感じではなかった。 まぁ誰にも言わないと言っているし、詳しく聞き出そうとしてくるわけでもなさそうだったので諦めることにした。「そうですか。すみませんが秘密でお願いします」 「あぁ、もちろんだ」 「それで、ハクシンさんは何故こんなところで空腹で倒れていたんですか?」周りは山岳地帯で近くに街があるわけでもない。彼は見た感じ特に持ち物もなさそうだった。マジックバッグを持っている可能性はあるし、見た目だけではあてにならないかもしれないが。「あぁ、山に籠って修行をしてたんだがな。集中していたら食い物が無くなっていたことをすっかり忘れちまってな。いや~面目ない」 「修行ですか。この山にはハーピィたちが住んでいるようですが、大丈夫だったんですか?」 「あぁ。あんたも聞いたみたいだが、奴らは人を襲ったりはしねぇよ。襲われても負けねぇ自信はあるけどな。ったく、師匠も面倒な課題を出しやがるぜ」ハクシンは師匠から出された課題で山籠もりをしていたらしい。 食べるのも忘れるほど集中していたらしいが、一体どん

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